「整骨院を開業するにはどうすればいい?」
「資金はどれくらい必要だろう?」
「失敗しないコツを知りたい!」
整骨院で勤務している方のなかには「いつかは独立したい」と思いつつ、最初の1歩を踏み出せていない方が多いのではないでしょうか。
現在の収入や働き方がこの先もずっと続いていくと考えると、自分の力を試してみたくなるのは当然のことでしょう。
整骨院の開業を考えているのなら、開業までのロードマップや開業資金について理解できると、イメージが具体化されて夢に1歩近づけます。
前川 雅治この記事では、治療院経営のプロとして毎月30名の新規顧客を獲得してきた僕が、開業を考えている方のために以下について解説します!
- 整骨院を開業する流れ
- 必要な費用や補助金・助成金
- 失敗する原因
- 失敗しないためのポイント
- よくある質問
とはいえ、いざ開業となると「本当に食べていけるのか」「集客できなかったらどうしよう」と、期待よりも不安のほうが大きくなる方も多いでしょう。



その不安は、あなただけでなく多くの先生が同じように悩み乗り越えてきました。
実際、僕の受講生のなかには月商16万円という経営危機から、わずか数ヶ月で売上を100万円、そして255万円へと段階的に伸ばした先生がいます。その先生は理学療法士としての技術に自信がありながら、集客に苦戦していた時期もありました。
以下の動画で、立て直したときの具体的な方法を先生本人が解説していますので、ぜひチェックしてみてください。


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整骨院を開業するには?流れ7ステップや資格の必要性


まずは整骨院を開業するまでの流れを、7つのステップで解説します。
- 施術管理者の要件を確認する
- 事業計画を立てる
- 資金繰りを考える
- 物件を選定する
- 治療機器や備品を選定する
- 院内のレイアウト設計と改装工事をおこなう
- 開業の届出をおこなう
それでは順に見ていきましょう。
1. 施術管理者の要件を確認する
整骨院を開業するには柔道整復師の資格が必須であり、そのうえで健康保険を使った施術をおこなう場合は「施術管理者」になる必要があります。
施術管理者とは、健康保険を使って施術した場合の受領委任(患者さんに代わって保険分を請求する仕組み)を管理する人のことです。
施術管理者になるには柔道整復師の資格に加えて、一定の実務経験と施術管理者研修の修了が義務付けられています。



2024年4月以降に受領委任の届出をする場合、実務経験は3年間、施術管理者研修は2日間の受講が必要です!
参考:「柔道整復師の施術に係る療養費の受領委任を取扱う施術管理者の要件について」の一部改正について|厚生労働省
2. 事業計画を立てる
ビジネスプランを明確にするために、事業計画書の作成をおこないます。
- 創業の動機
- 強み・特徴
- 施術方針
- ターゲット
- 売上の見通し
- 資金調達方法
これらの内容を中心に、自分はどのような整骨院にしたいのか、イメージを具体化していきます。
事業計画書は融資を受ける際の創業計画書作成にも役立つので、丁寧に作成しましょう。
3. 資金繰りを考える
開業するにあたり、資金調達は何よりも重要な課題です。主な資金調達方法は以下の3つです。
- 自己資金
- 融資
- 助成金
個人が開業時に融資を受ける場合は、日本政策金融公庫がおすすめです。日本政策金融公庫とは政府が100%出資している金融機関で、民間の金融機関より審査に通りやすい特徴があります。
経営が厳しくなってからでは審査に通りにくくなるので、資金が不足している場合は開業時点で融資を検討しましょう。
また、自治体が助成制度を実施している場合があるので、一度確認してみることをおすすめします。



開業準備を始めると、数百万円くらいはあっという間になくなりますよ!
4. 物件を選定する
開業場所は、以下の3パターンが候補になります。
- 自宅
- マンションの一室
- 店舗
自宅で開業する場合は、生活感が強すぎると経営に支障が出るので注意しましょう。



マンションの一室や店舗を借りる場合、広い物件を選んで後悔している方が多いので気を付けてくださいね!
物件を選ぶ際は、以下の条件をチェックしてみてください。
- コンセプトが受け入れられそうか
- 1km以内にターゲット層が多く存在しているか
- 数年後の人口構成はどのように変化しそうか
- 昼夜間の人の流れはどうか
- 最寄り駅やバス停までの距離はどのくらいあるか
開業場所は「患者さんがどのような印象を持つか」を重視して選びましょう。
5. 治療機器や備品を選定する
治療機器や備品は、なるべく予算を抑えて必要最低限にしておくことをおすすめします。



開業すると集客にお金がかかるため、最初は腕1本で勝負するつもりで臨みましょう!
また、医療機器を導入する際は、自分で使ってみて納得のいく機器を選定してください。納品までに日数がかかる機器もあるため、早めに発注しておくと安心です。
6. 院内のレイアウト設計と改装工事をおこなう
開業場所が確定したら、動線や機器の設置場所などを考慮して院内のレイアウトを考えます。レイアウトが決まったら、工事を発注する前に保健所で「構造設備基準」に合致しているか確認してみてください。



改装工事もできるだけお金をかけずに、広告費に予算を回しましょう!
7. 開業の届出をおこなう



整骨院を開業するときは、各機関で申請手続きをおこないます!
主な届出は以下の3つです。
- 整骨院を開設するための届出
- 受領委任をおこなうための届出
- 税務署への届出
何の書類をどこに提出するのか、あらかじめ確認しておきましょう。
なお、開業から整骨院を安定して経営させるために、関連記事「整骨院・接骨院経営は儲かる!年収アップを実現する10の成功戦略を解説」をチェックしてみてください。


整骨院開業に必要な費用はいくら?


開業にかかる費用は、開業する場所によって相場が異なります。自宅・マンションの一室・店舗ごとに必要な金額の相場は、以下のとおりです。
| 開業場所 | 費用相場 | 費用の内訳 |
|---|---|---|
| 自宅 | 20~50万円 | ・設備費 ・内装工事費 など |
| マンションの一室 | 約50万円~ | ・敷金 ・礼金 ・仲介手数料 ・保証金 ・家賃 ・設備費 ・内装工事費 など |
| 店舗 | 約400万円~ | ・敷金 ・礼金 ・仲介手数料 ・保証金 ・家賃 ・設備費 ・内装工事費など |
なお、貸店舗は大都市の駅前と地方とでは金額に大きな開きがあるため、金額は参考までにしてください。



次に、開業したら即必要になる広告費の相場もチェックしておきましょう。
| 広告の種類 | 費用相場 |
|---|---|
| ホームページ制作 | 30~50万円 |
| ホームページ運用 | 月額15,000円 |
| Google広告 | 月額5万円 |
| チラシ | 月1万枚配る場合は3万円 |
さらに、消耗品といった雑多な費用も発生するので、100~200万円を上乗せして見積もっておくとよいでしょう。
なお、整骨院開業に向けた資金については、関連記事「整骨院開業の資金はいくら必要?自己資金の目安や融資の調達方法を解説」にて詳しく解説しています。ぜひ参考にしてみてください!


整骨院開業に活用できる補助金・助成金


開業資金の不足は多くの整骨院開業希望者が直面する問題ですが、補助金や助成金の活用によって解決できます。



整骨院開業時に利用できる主な補助金・助成金の制度を紹介します!
| 補助金・助成金の種類 | 目的 | 対象 | 最大支給額 |
|---|---|---|---|
| 小規模事業者持続化補助金 | 小規模事業者の販路開拓や生産性向上の支援 | ・店舗改装費用 ・設備導入費用 ・広告宣伝費用 など | 通常枠の場合:50万円 |
| ものづくり補助金 | 革新的サービス開発や試作品開発に向けた設備投資の支援 | ・設備導入費用 ・システム構築費用 など | 18次の場合:省力化(オーダーメイド)枠の従業員数5人以下で750万円 |
| 地域雇用開発助成金 | 地域の人の雇用支援 | ・不動産購入費用 ・不動産貸借費用 ・工事費用 など | 設置・整備費用300万~1,000万かつ対象労働者の増加人数が3~4人の場合:50万円 |
| IT導入補助金 | ITツールの導入支援 | ・端末購入費用 ・電子カルテといったソフト購入費用 など | PC・タブレットの場合:10万円 |
補助金や助成金は年度によって募集要項や支給額、受付期間が変わります。実際に活用する際は、商工会議所などの専門機関に相談するか、各制度の公式サイトで最新情報を必ず確認してください。
なお、自宅で開業する場合に使える制度については、関連記事「自宅サロン開業に使える助成金・補助金7選!活用する流れや注意点などを解説」も役に立ちます。あわせて参考にしてみてください。


補助金や助成金で開業資金をまかなえたとしても、継続的に収入を得るには集客が欠かせません。集客さえ軌道に乗せられれば、経営不振に陥るリスクは大きく下げられます。
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整骨院の開業で失敗する3つの原因


ここからは、整骨院の開業で失敗する原因を3つ紹介します。
- 開業前から集客を準備していない
- 競合と差別化ができていない
- 単価が低すぎる
詳しく解説します。
1. 開業前から集客を準備していない
整骨院の開業でありがちな失敗が、開業前に集客の準備をしていないことです。
「開業すれば患者さんは来る」と考えていると、開店初日にガラガラの待合室を前にして焦ることになります。SNSなど効果が出るのに時間がかかるものもあるため、開業してから準備を始めるのでは遅いのです。
開業初月から患者さんを迎えるには、開業前の段階で集客の仕組みを動かしはじめておく必要があります。



僕は雇われ時代、1人で100万円以上の売上を上げていましたが、開業したら半年間でたったの2万円しか稼げませんでした…
雇われ時代にどれだけ人気があっても、開業後に口コミだけで患者さんが増えることはありません。だからこそ、開業前から集客に取りかかることが重要です。
開業前に具体的に何をすればいいかは、関連動画「【開業前の治療家必見】整体院の開業前に絶対に知っておくべき11の集客術【整体院 治療院 集客】」で詳しく解説されています。あわせてご覧ください。
2. 競合と差別化ができていない
整骨院の市場は過密状態にあります。
厚生労働省の衛生行政報告例によると、柔道整復師の数は2014年の63,873人から2024年には78,666人へと、10年間で約1.23倍(約23%増)に増加しました。
施術所数も、同じ10年間で45,572か所から50,924か所へと約1.12倍(約12%増)に増えています。
参照:令和6年衛生行政報告例(就業医療関係者)の概況
施術者も整骨院の数も増え続けているため、ただ開業しただけでは多くのライバルに埋もれてしまいます。



成功するためには、他の整骨院との明確な差別化が必要になります!
差別化ポイントとしては、以下の内容が挙げられます。
- 特化した治療法の提供
- 顧客サービスの質の向上
- 利便性の高い立地条件
- 専門的な治療器具の使用 など
なお、差別化については、関連記事「【競合を突き放す】差別化を図る5つの方法!おすすめツールや成功事例を解説」にて詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてみてください!


3. 単価が低すぎる
整骨院の多くは保険施術を主体にしていますが、柔道整復師の療養費は年々下降しています。
厚生労働省の資料によると、平成26年度の3,825億円から令和4年度には2,747億円まで減少しました。
参考:柔道整復療養費の令和8年度改定の 基本的な考え方(案)について



保険適用の治療だけに依存していると、収入が安定せず経営が傾く可能性があります!
単価を上げるためには、自費メニュー(保険を使わない自由料金の施術)の導入が効果的です。保険外の施術メニューを用意することで、1人あたりの単価を高められます。
自費メニューに関しては、関連記事「整骨院・接骨院が自費メニューへ移行する4ステップ!取り入れるメリットや料金相場を解説」にて詳しく解説しています。ぜひ参考にしてみてください!


整骨院開業後に失敗しないためのポイント5つ


整骨院を開業しても、売上が伸びずに廃業に至るケースが多くあります。そのような事態に陥らないために、以下5つのポイントを押さえておきましょう。
- 時間の使い方を知る
- チラシとホームページは効果を検証する
- リピート対策をする
- 将来を具体的にイメージする
- 本気で経営に取り組んでいる人と交流する
詳しく解説します。
1. 時間の使い方を知る
時間管理ができないと、どれだけノウハウを学んでも目標は達成できません。経営者になるなら、時間管理を徹底しましょう。
時間管理は、以下のタスク管理術を参考にしてみてください。
- 年間目標を決める
- 月に必要な数字を明確にして月間目標を決める
- 週間目標に落とし込む
- 1日の目標に落とし込む
- やるべきことを書き出す
- やり切る
このように、目標を小さく分割してやることを明確化すると、こなせるタスクが圧倒的に増えます。



僕が月150万円の売上を達成したとき、治療は週4日半に抑えて、そのほかの時間はすべて集客に費やしていました!
経営者になったら、集客を最優先にして時間管理をおこなってみてください。集客をして、目の前に患者さんを呼ぶことがあなたの仕事だからです。
2. チラシとホームページは効果を検証する
チラシやホームページで集客をしたら、必ず効果を検証しましょう。
- ポスティング:反応率0.2%(1,000枚で2件の予約)
- 新聞折込:費用対効果(かかった費用以上の売上があればOK)
- ホームページ広告:月間1,000アクセス
- ホームページ:100アクセスで1件の予約
これらの数字を基準にして、テストを繰り返して検証してみてください。



効果検証は感覚ではなく、必ず数字で計測するのがポイントです!
3. リピート対策をする
リピート率を上げるには、患者さんの悩みを徹底的に聞くことが大切です。以下のテクニックを使って患者の悩みに寄り添い、リピート率アップの対策を行いましょう。
- 聞いている途中で自分の意見を言わない
- 笑顔とあいづちで話しやすい雰囲気を作る
- 同じ視点に立つ(偉そうにしない)
患者さんの悩みを丁寧に引き出すことで信頼関係が生まれ、施術の価値も伝わりやすくなります。



その結果、「またここに通いたい」と思ってもらいやすくなるでしょう。
リピート率を上げる具体的な施策は、関連記事「【対応必須】リピート率を上げる3つの方法!リピーター率との違いや計算方法を解説」で詳しく解説しています。あわせて参考にしてみてください。


4. 将来を具体的にイメージする



最悪のシナリオと最高のシナリオを想定し、準備と対策を計画すると、自分が目指すべき道と避けるべき落とし穴が明確になります!
最高のシナリオでは、あなたの整骨院が地域で高く評価され、多くの患者さんに信頼される存在になっている様子を描きます。
具体的には、口コミが増え、新規の来院が自然と増える状況、地域の医療機関や関連施設との良好な連携が取れていることなどが考えられるでしょう。
一方、最悪のシナリオでは、激しい競争や経営のミスマネジメントにより、院の運営が困難になり最終的に閉院に至る可能性を想定します。
このシナリオをもとに、リスク管理策を練り、危機を未然に防ぐ計画を立てられます。
最終的な目標に向かって着実に進むための指針となるのです。



具体的なアクションプランを設定しやすくなり、成功への確かな一歩を踏み出せますよ!
5. 本気で経営に取り組んでいる人と交流する
整骨院を開業するうえで、経験豊富な経営者と交流するようにしましょう。



本気で経営に取り組んでいる人々と関わると、自分の基準値が向上して成功への近道を学べる可能性が広がります!
成功している整骨院経営者から、具体的な経営戦略や患者さんの対応ノウハウなどの実践的知識を得ると、最短で成功しやすくなります。
ただし、交流する際には「経験していない人の意見を参考にしない」ことが重要です。理論だけのアドバイスではなく、実際に経営で成功している人の経験に基づくアドバイスを求めましょう。
整骨院の開業でよくある質問


最後に、整骨院の開業を検討している方からよく寄せられる質問にお答えします。
- 整骨院は一人でも開業できる?
-
柔道整復師が1人だけで開設・運営することは可能です。実際、開業当初は院長1人で回し、患者数が増えてからスタッフを雇用するケースも多く見られます。
- 整骨院の開業に資格は必要?
-
整骨院の開業には、「柔道整復師」の国家資格が必須です。さらに、健康保険を使った施術(受領委任)をおこなう場合は、前述の「施術管理者」の要件を満たす必要があります。
- 整骨院の開業は儲かる?平均年収はどれくらい?
-
開業後に儲かるかどうかは、経営の手腕によって大きく変わります。整骨院の数が増え続けている今、マーケティングや集客の知識がなければ安定した収益を維持するのは簡単ではありません。
一方で、正しい経営ノウハウを実践し、月商100万円以上、年収1,000万円超を達成している整骨院も実在します。
なお、厚生労働省の資料によると、整骨院・接骨院が含まれる医療福祉分野全体の平均年収は約315.7万円です。
参考:令和7年賃金構造基本統計調査|厚生労働省これは勤務する従業員も含む数値のため、開業したオーナーの収入とは異なる可能性があります。
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